犬種別遺伝性疾患(07年度登録頭数順) | 1位ダックスフント | 2位チワワ | 3位プードル | 4位ヨークシャーテリア | 5位ポメラニアン |
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38
|
60 | 114 | 83 | 6 | 35 | 22 | 30 | 58 | 85 | 79 | 23 | 35 | 15 | 24 |
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形質 | 血管・血液 | 脳神経 | 筋骨格・結合組織 | 呼吸器 | 循環器 | 消化器 | 腎尿路 | 先天奇形 | 内分泌・代謝 | 眼・耳・鼻 | 腫瘍 | 皮膚 | アレルギー・免疫 | その他 |
形質 38 (4) |
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通番 | 疾 患 名 | 主 な 症 状 | 備 考 | 遺伝形態 | 主な該当犬種 |
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66 |
Blood group system, rhesus 血液型 |
イヌ血液型抗原 | イヌの血液型抗原の生化学的特性評価:DEA 1.2、4および7の免疫沈降と相同アカゲザル人間に犬の赤血球膜抗原の同定 | AD | * |
67 |
Blood group system/dog erythrocyte antigen (DEA) 1 DEA 1 |
DEA 1.1 | 以前のBlood Group System Aまたは犬赤血球抗原(CEA)1と2 | AR | * |
68 |
Blood group system/dog erythrocyte antigen (DEA) 3 DEA 3 |
* | 以前のBlood Group System Bまたは犬赤血球抗原(CEA)3 | AD | * |
69 |
Blood group system/dog erythrocyte antigen (DEA) 4 DEA 4 |
* | 以前のBlood Group System Cまたは犬赤血球抗原(CEA)4 | AD | * |
70 |
Blood group system/dog erythrocyte antigen (DEA) 5 DEA 5 |
* | 以前のBlood Group System Dまたは犬赤血球抗原(CEA)5 | AD | * |
71 |
Blood group system/dog erythrocyte antigen (DEA) 6 DEA 6 |
* | 以前のBlood Group System Fまたは犬赤血球抗原(CEA)6 | AD | * |
72 |
Blood group system/dog erythrocyte antigen (DEA) 7 DEA 7 |
* | 以前のBlood Group System Trまたは犬赤血球抗原(CEA)7 | AD | * |
73 |
Blood group system/dog erythrocyte antigen (DEA) 8 DEA 8 |
* | 以前のBlood Group System Heまたは犬赤血球抗原(CEA)8 | AD | * |
74 |
Blood group system/dog erythrocyte antigen Dal ダル型 |
* | ダルメシアン種の特定の抗原の有無 | 常染色体性 | ダル |
75 |
Blood group system/dog erythrocyte antigen Kai カイ型 |
* | 北アメリカの犬の血液型、特定の抗原の有無の研究 | unknown | 多 |
76 |
Blood group systems, generic *血液型体系 |
* | 赤血球の表面上の特定の抗原(通常は糖タンパク質)に対応するそれぞれの血液型。犬赤血球が持っている抗原の種類を「DEA型」と示す。DEA(Dog Erythrocyte Antigen -犬赤血球抗原) | 常染色体性、unknown | * |
118 |
Coat colour, agouti アグーチ遺伝子座の色素遺伝子 |
アグーチ座(Aシリーズ)はユーメラニンとフェオメラニンの分布を決定する遺伝子座 |
Genes: ASIP Aシリーズの劣性因子、aw-バンデッドヘア(1本の毛に帯状の色の分かれ目がある状態)、at-タンポイントなど |
AR | Gシェパ、ハイイロオオカミ、コヨーテ |
119 |
Coat colour, albinism アルビノ |
眼震、視力・聴力低下、チロシナーゼの完全な不足 | 白皮症、色素欠乏(完全欠乏から部分欠乏まで) | ふつうAR | 多 |
120 |
Coat colour, albinism, oculocutaneous type IV 眼皮膚IV型アルビノ |
アルビノ | SLC45A2の部分的遺伝子欠失(またはミスセンス変異) | AR | ドーベルマン |
121 |
Coat colour, brown レバー色、チョコレート色 |
黒い色素がレバー(チョコレート)色になる。色素ポイントも含む |
Genes:TYRP1 Bシリーズの劣性b因子、ユーメラニンに作用する。優性Bは黒 |
AR | 多 |
122 |
Coat colour, cream dilution 毛色の希釈クリーム |
e/eユーメラニンをフェオメラニンに変更 | エクステンション遺伝子座、Eシリーズの劣性eを指しているようだ | eならARだが不完全優性 | ゴル、ラブ、ビズラ、Iセッターすべてe/e |
123 |
Coat colour, dominant black 優性の黒い毛色 |
もっとも濃い黒い色素 |
Gene: CBD103 ドミナンブラック座、Kシリーズの最優性。優性Kが黒、劣性kbrがブリンドル、劣性kyは優性黒が発動せずAやEシリーズの決定による(すべてのブラックアンドタンはky/ky) |
AD | 多 |
124 |
Coat colour, dominant white 優性の白い毛色 |
* | 斑症のことか?? | AD | * |
125 |
Coat colour, extension 毛色の拡張遺伝子 |
Eシリーズ |
Genes:MC1R メラノサイト内のチロシナーゼのレベルを制御するメラニン細胞刺激ホルモン受容体 |
常染色体性 | 全 |
126 |
Coat colour, grizzle 毛色のグリズル遺伝子 |
サルーキとアフガンハウンドのドミノ模様 |
Genes:MC1R 顔面のタンポイントのタン色部分(明るい方の色)が眉から鼻先、のどまでつながった毛色の状態。顔面以外のタンポイントの境界部分(腹と横腹の境、四肢の境、尾の内側から背側の境、胸)も明るい色の侵食が増える。Aシリーズがat/atでEGが1つの時に作用。ただしKシリーズのKBとEシリーズのEMが無い場合に限る |
常染色体性 | サルーキとアフガン(ドミノ) |
127 |
Coat colour, harlequin 毛色のハルクイン遺伝子 |
Mシリーズ・マールが発現した部分の色素を抜く |
Gene: PSMB7 通常のブルーマールあるいはシルバーダップルの灰色になるマール発現部分が真っ白になる。シングルマールかダブルマールの時のみ表現され、Mシリーズがmmの場合は表現しない。ただしダブルハルクイン-HHはMシリーズに関らず致死(おそらく受精直後くらいのごく早い段階で発生停止) |
AD | グレートデン |
128 |
Coat colour, melanistic mask ブラックマスク遺伝子 |
Melanistic Mask、顔面が黒い |
Gene: MC1R ユーメラニンに表現するのでなければ非常にわかりにくい。bbレバーの犬は顔の他の部分(額など)より色調がやや濃いめのレバー色のマスク。フォーンカラーのフレンチブルドッグが同じ毛色の他の犬種の口元(主に鼻の幅のまま鼻から下唇まで)より黒い部分が多い点 |
AD | 多 |
129 |
Coat colour, merle 毛色のマール遺伝子 |
Mシリーズ |
Genes: SILV * |
AD | 牧羊犬系 |
130 |
Coat colour, oculocutaneous albinism, OCA2-related OCA2関連型 アルビノ |
アルビノ |
Gene: OCA2 ヒトの眼皮膚白皮症II型に近い |
AR | Gスピッツ |
131 |
Coat colour, saddle tan vs black-and-tan 毛色の背黒vsブラタン |
at/at前提、リーサルイエロー+/+か+/dup |
Genes:RALY 背黒(ビーグルなど)よりさらにブラックタンは劣性 |
AR | ハウンド、テリア |
132 |
Coat colour, white spotting 毛色の白斑遺伝子 |
Sシリーズ |
Genes:MITF アイリッシュマーク(マントル)、パーティー、ほぼ白 |
AR | 多 |
133 |
Coat colour, white spotting, due to KIT 毛色のKITによる白斑遺伝子 |
* |
Genes:KIT デノボ変異 |
AD | Gシェパ、ワイマ |
134 |
Coat colours, generic 色素遺伝子 |
毛色に代表される犬の色素遺伝子 | メラニンは正常な血管条の発達と機能に不可欠でメラニン細胞の変異体は血管状線状機能不全の原因ではという研究が主にダルメシアンの難聴についてされている。線状とは膜に亀裂が入り血管のようになっている状態(strial dysfunction) | AD,AR | 全 |
157 |
Curly coat 毛質の遺伝子 |
カーリーコート、巻き毛 |
Gene: KRT71 直毛に対しての縮毛 |
常染色体性 | 多 |
192 |
Ears, folded 垂れ耳 |
立ち耳に対しての垂れ耳 | * | unknown | * |
237 |
Furnishings (moustache and eyebrows) 口ひげと眉毛 |
* |
Genes: RSPO2 * |
常染色体性 | * |
281 |
Hair, long 長毛 |
Hair lengthから名称変更。全身の被毛を指すコートに対してヘアーは一部分の被毛 |
Genes: FGF5 * |
常染色体性 | セント、ワイマ、他 |
331 |
Hypertrichosis 多毛症 |
針金状、羊毛状、波状などの独特な異常なコート | 1つの毛包から複数の毛が発生する。この異常は攻撃性や多動・学習障害を伴いしばしば密接に水頭症や中枢神経系に影響を与える病気に関連付けられている | unknown | ゴル |
345 |
Hypotrichosis 貧毛症、乏毛症 |
以下の犬種で無毛は単一遺伝子座のヘテロ接合である | チャイニーズクレステッドドッグ、メキシカンヘアレスドッグ、ペルービアンヘアレスドッグなど優性ヘアレス種の無毛 | 常染色体性 | 優性ヘアレス |
346 |
Hypotrichosis, recessive 劣性貧毛症、乏毛症 |
以下の犬種で無毛は単一遺伝子座のホモ接合である |
Gene: SGK3 アメリカンへアレステリア(ラットテリアの突然変異個体)。3大無毛種とは異なる常染色体劣性ヘアレス |
AR | 劣性ヘアレス |
357 |
Improper coat 不適切なコート |
病気ではない |
Genes: RSPO2 PWドッグの顔と足の縮れ毛と体全体のコートについての研究 |
AR | Pウォータードッグ |
377 |
Leg morphology (leg width versus leg length) 内脚形態(脚幅に対する脚の長さ) |
疾患ではない | * | unknown | PWドッグ |
379 |
Leishmaniasis, susceptibility/resistance to リーシュマニア症感受性 |
疾患ではない | リーシュマニア症とはトリパノソーマ科の原虫リーシュマニアの感染を原因とするズーノーシスの総称で犬の媒介性疾患として知られている。 | unknown | * |
635 |
Short spine *短い脊椎 |
少ない背骨、ねじれ尾、肛門開口部の傾斜、外向きの肘・ひざ関節 | 脊柱や椎骨の圧縮による背骨の深刻な短縮で、かわりに硬化した軟骨を持つ場合もある。寿命は比較的正常だが肋骨の数により胸郭に影響が出る場合もある | unknown | * |
665 | Tail, curl 巻き尾 |
巻き尾 | * | unknown | * |
666 | Tail, short 短い尾 |
ショートテイル、ボブテイル |
Genes: T T遺伝子が影響してボブテイルになる犬種とT遺伝子以外の因子による犬種があるようだ。スウェディッシュヴァルフントSwedish vallhund −スウェーデン原産のコーギーに似た牧羊犬−には長尾と短尾が存在し、短尾同士の両親犬から産まれた一胎子は長尾同士の両親犬から産まれたものより29%ほど体型サイズの矮小化が見られた。 |
AD | * |
667 |
Taillessness 無尾 |
尾が無い状態 | 脊髄の欠損による無尾であれば初期の胎児が死ぬ確率が高く、生まれても鎖肛など重度の障害。ペンブロークコーギーなどは現在断尾廃止・禁止の情勢を受けて、脊椎が損傷されていない無尾を繁殖させる努力が見られるようだ。 | unknown | * |