| 犬種別遺伝性疾患(07年度登録頭数順) | 1位ダックスフント | 2位チワワ | 3位プードル | 4位ヨークシャーテリア | 5位ポメラニアン |
|---|
| 38
|
60 | 114 | 83 | 6 | 35 | 22 | 30 | 58 | 85 | 79 | 23 | 35 | 15 | 24 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 形質 | 血管・血液 | 脳神経 | 筋骨格・結合組織 | 呼吸器 | 循環器 | 消化器 | 腎尿路 | 先天奇形 | 内分泌・代謝 | 眼・耳・鼻 | 腫瘍 | 皮膚 | アレルギー・免疫 | その他 |
| 呼吸器 6 (28) |
|---|
| 通番 | 疾 患 名 | 主 な 症 状 | 備 考 | 遺伝形態 | 主な該当犬種 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3 |
Achondroplasia 軟骨無形成症 |
四肢短縮型小人症、短すぎる四肢。重症例は新生子死亡 | 肘・膝・手根・足根の関節腫大が主な症状の骨端軟骨の形成不全、骨端の成長は緩やかで早期に停止し通常の成犬サイズはその犬種の半分程度。その他よく現れる症状として溶血性貧血、陰睾丸や発情異常などの生殖トラブル・性腺機能低下症、視力障害、悪い歯列、気管支拡張症、関節障害、無呼吸・中耳炎等を含む呼吸器関連の問題、水頭症、腰椎の狭窄による歩行困難・排泄障害。症状の個体差がわりと大きく全身の変形度合いが多いものは早期死亡の傾向 | 常染色体性、unknown | バセット、ダックス、プードル、ピレ、スコッチ、シェルティ、猫、ウサギ、羊 |
| 21 |
Alpha-1-antitrypsin deficiency アルファ1アンチトリプシン欠損症 |
肝障害、呼吸困難、嘔吐・下痢・腹水・黄疸・出血傾向 | 肝硬変や門脈圧亢進症で多くは成長期で死亡。タンパク質を分解する酵素(プロテアーゼ)の作用を抑制するアルファ1‐アンチトリプシンの欠損。特に肺や肝臓の組織に障害が生じ、肝臓がこの酵素を細胞の外に分泌できなくなり酵素が肝細胞内にたまり、肝細胞の損傷を引き起こす。 | 常染色体性、unknown | Aコッカー |
| 58 |
Autoimmune thrombocytopenia 自己免疫性血小板減少症 |
血液凝固障害からの無気力・食欲不振、皮膚や粘膜の点状・表在性出血、心拍数増加・あえぎ呼吸、重症例は失血死 | 自分の血小板に対する抗血小板抗体が作られることによって血小板数が減少する(自分の血小板を攻撃する)。通常白血球数と赤血球数は正常で骨髄では血小板の前駆細胞の巨核球が増加している。メスはオスの3〜4倍の罹患率 | unknown | 多 |
| 76 |
Brachycephalic airway obstruction syndrome 短頭種気道閉塞症候群 |
いびき、息を吸う時に音が出る、咳、血液中の酸素濃度が低いため高血圧 | 別名・上気道閉塞症候群。鼻孔狭窄症・軟口蓋過長症・喉頭虚脱・気管低形成などによる上気道の閉塞。気道閉塞症候群を持った犬のほとんどに軟口蓋過長や鼻孔狭窄 | 常染色体性、unknown | 短頭種 |
| 80 |
Budd-chiari syndrome バッド・キアリ症候群 |
強い腹痛・腹部膨満・腹部の静脈が浮き出る、多飲、高血圧、咳、呼吸困難、速脈、失神、肝疾患 | 肝静脈あるいは肝部下大静脈の閉塞ないし狭窄による疾患で生後数日から数ヶ月で肝不全も多い、4歳前までには発症する | unknown | キャバリア |
| 93 |
Central core myopathy セントラルコア病 |
早期から筋緊張低下、筋力低下、呼吸筋・顔面筋・頚筋が弱い、進行の遅い運動発達の遅れ、関節拘縮 | 先天性非進行性筋疾患の一種で8ヶ月頃までには症状が出ることが多く早期死亡 | 常染色体性、unknown | グレートデン |
| 103 |
Choanal atresia 後鼻孔閉鎖症 |
呼吸がしにくい、ミルクを吐くなど | 後鼻孔(2つの鼻の穴は通常、奥の方で1つになり咽に繋がっている)が閉鎖されている状態。(鼻から細い管を入れて咽に通じるかみる) | unknown | * |
| 111 |
Ciliary dyskinesia, primary 原発性繊毛運動障害、繊毛不動症 |
両側性慢性的な鼻汁、湿った咳、肺炎 |
繊毛ジスキネジア。Priamry Ciliary Dyskinesia(PCD)とも呼ぶ別名アイリッシュウルフハウンドの鼻炎 出生時から兆候があるが個体差が大きい。生まれたてで膿鼻汁が見られる子犬は早期死亡。以前はウイルス感染と言われていた。気管支拡張症、副鼻腔炎、内臓反転を三大主徴とするカルタゲナー症候群参照(内臓の位置に異常のない繊毛の障害のようだ) |
AR | IWハウンド、OEシープドッグ、Eスプリンガー、ニューファン、スタッフィー |
| 184 |
Dysautonomia 自律神経異常症(失調症) |
* | 代謝、消化などの生命活動を活発にする働きをする交感神経と、交感神経とは全く逆の働きをする副交感神経の2つから成り立つ自律神経のバランスが崩れた場合に起こる病気。 自律神経とは呼吸や代謝、消化、循環など自分の意思とは無関係で生命活動の維持やその調節を行い、絶えず活動している血管、リンパ腺、内臓など自分の意思とは無関係に働く組織に分布する神経系。 | unknown | * |
| 236 |
Galactosialidosis ガラクトシアリドーシス |
骨の変形、肝臓や脾臓の腫大、鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、心不全、腎不全、呼吸障害や中枢神経障害(ミオクローヌス、けいれん発作) | ライソゾーム性保護蛋白質/カテプシンA(PPCA)の活性低下により非還元末端にシアル酸残基を持つオリゴ糖や糖蛋白質および糖脂質が分解されずに細胞内に蓄積して細胞が障害を受ける。ガングリオシドーシスと症状が似るがこちらはやや軽い | unknown | * |
| 261 |
Glycogen storage disease �� 糖原病�況� |
初期は不眠と運動時の呼吸困難を含む筋力低下、肝・心腫大、心不全で早期死亡 | ポンペ病(ポンペは発見したオランダの医師の名)。酸性マルターゼ(a-グルコシターゼとも言う)欠損によるグリコーゲン蓄積症 | 常染色体性、単一遺伝子 | * |
| 294 |
Hernia, diaphragmatic 横隔膜ヘルニア |
呼吸困難、嘔吐、ショック。新生児では胸が大きくふくらみ腹はへこんでおり食欲不振の末早期死亡率が高い(産声をあげたとたんに見る見る弱ることも)。 |
体内で胸と腹を分け、呼吸をするための重要な横隔膜にはもともと数箇所に穴が開いて食道や血管を通しているがその穴が正常より大きかったり亀裂が入りすぎているような状態をいう。軽度であればとくにひどくならず一生を終えるケースも多いと考えられる。主に横隔膜から胃などが胸部に出てしまい呼吸が妨げられることが命を奪う。 先天的に横隔膜ヘルニアを持っていて、わりあい正常に成長してから胸部の打撲などで発症するケースもある(後天性ではなく遅発性)。 |
unknown | ゴル |
| 296 | Hernia, hiatal 裂孔ヘルニア |
食後の嘔吐・逆流、呼吸困難 | 下部食道括約筋の障害。人間では横隔膜ヘルニア=子ども(子犬)、裂孔ヘルニア=大人(成犬)と呼んでいる。治療は外科手術で裂孔の閉鎖と胃腹壁固定 | unknown | Eブル |
| 316 |
Hyperekplexia (Startle disease) グリシン受容体の変異による過剰驚愕症 |
不意をつく音や接触などによる筋痙攣、筋硬直、転倒、呼吸困難 |
Gene: SLC6A5 過剰驚愕症。俗にびっくり病。抑制性神経伝達に関与するグリシンの受容体や輸送体の遺伝子変異によりグリシン作動性抑制神経の低下からシナプス伝達が障害される |
AR | Iウルフハウンド、ラブ |
| 317 |
Hypereosinophilic syndrome 好酸球増加(多)症候群 |
全身の発疹や痒み、貧血、下痢、腹部痙攣、体重減少、永続的な咳 | 皮下のしこり、消化管、骨髄、脾臓、リンパ節、肺や肝臓などの臓器を取り囲む組織の肥厚、呼吸困難、胸水・不整脈・僧帽弁や三尖弁逆流を含む心臓トラブル、各種臓器不全なども症状の例がある。末梢血中の好酸球が異常に多い状態で、寄生虫感染やアレルギー反応、アトピー性疾患で起こることもある(好酸球を減らす因子のひとつにはストレスがある)。増加状態が長引くと特発性好酸球増加症候群と進み心臓、肺、脾臓、および神経系などあらゆる臓器が侵され予後不良 | unknown | * |
| 367 |
Kartagener syndrome カルタゲナー症候群 |
子犬の頃から気管支炎・鼻炎・肺炎、耳鼻感染・呼吸器感染を繰り返す | 全内臓逆位・副鼻腔炎・気管支拡張を伴う遺伝性疾患。※原発性線毛ジスキネジア | AR | ダックス、Eスプ、Eコッカー、スタッフィー、チャウ |
| 373 |
Laryngeal paralysis 喉頭麻痺 |
運動不耐性、吸気性喘鳴、吸気呼吸困難、吐き気、咳、発声障害 | 治療は主に喉頭閉塞の緩和(対症療法)。常染色体優性遺伝が知られている。一般的に時間の経過と共に悪化する | unknown | ロット、ラブ、アフガン、Iセッター、ハスキー |
| 416 |
Mucopolysaccharidosis �� ムコ多糖症�況� |
舌の肥大、騒音呼吸、気道感染、肝脾腫、骨変化、つまづき、四肢を誇張するような歩き方、角膜混濁、関節の可動性低下(すべて進行性) | iduronate-2-sulfatase欠損によるヘパラン硫酸とデルマタン硫酸の蓄積。尿中にムコ多糖であるデルマタン硫酸、ヘパラン硫酸が多量に排泄される。ハンター症候群Hunter syndrome | x-linked | * |
| 431 |
Muscular dystrophy, Duchenne typs デュシェンヌ型筋ジストロフィー |
近位筋からの筋力低下、呼吸困難による死亡 |
Genes: DMD 筋線維の変性によって起こる近位部の進行性の筋力低下を特徴とするX連鎖劣性遺伝性疾患。ベッカー型は発症が遅く症状は軽度 |
XR | * |
| 437 |
Myasthenia gravis 重症筋無力症 |
眼瞼下垂、易疲労、全身の筋力低下、巨大食道や嚥下障害を合併することもある | 症状が出る部位によって、目なら瞬きが増えたり瞼が下がり、口ならよだれがいつも流れたり飲食飲水でむせたり飲み込みにくそうになり、四肢なら歩行が困難になり、呼吸筋なら呼吸に支障が出る。 心疾患や巨大食道症やリンパ腫など他の病気が併発しているケースも多い。研究例多数 | 常染色体性、単一遺伝子 | MSダックス、ゴル、ニューファン、コーギー、グレートデン、 |
| 447 |
Myopathy, centronuclear 中心核ミオパチー |
筋力・筋緊張低下、呼吸困難。 |
Genes: PTPLA 先天性ミオパチーのひとつ。通常は生まれてすぐから異変が認められるが一般に進行が緩やかなため単におとなしい犬とされている可能性は高い。 Centro Nuclear Myopathy (CNM)→VetGenその他でDNA検査あり対象犬種;Lレトリーバー |
AR | * |
| 448 |
Myopathy, congenital 先天性ミオパチー |
生まれつき筋力の低下と筋緊張の低下が見られる。 |
階段昇降はできるorできない、歩けても走れないなど症状は様々だが共通すると思われるものに筋肉の痩せ、嚥下障害や呼吸機能の障害がある。その他よく見られる合併症は漏斗胸など骨格の変形、悪性高熱、高口蓋、心奇形を含む循環器疾患 先天性ミオパチーや筋ジストロフィーは悪性高熱症と係わりがるようだ(ヒトの診断は筋生検になるらしい) |
常染色体性、unknown | * |
| 455 |
Myotonia 筋緊張症、ミオトニア |
ぎこちない足取り、多量の流涎(子犬時代)、骨格筋肥大、嚥下・呼吸障害、顎前突症 |
Genes:CLCN1 子犬の頃から発症。下痢や嘔吐を伴う。筋肉がこわばり、筋収縮が長く続き寒さや興奮で悪化する |
AR | デン、Mシュナ、チャウチャウ、スタッフィー、Aキャトルドッグ |
| 471 |
Neuroaxonal dystrophy 神経軸策ジストロフィー |
重度の運動失調、出生時の関節拘縮・小脳と脊髄の形成不全・肺も低形成なため呼吸不全による死産・新生児死亡(胎動も少ない)。頭部の震戦、視力障害、てんかん(ミオクローヌス) |
Gene: MFN2 側弯症や膝の腱が薄いことも診断の助けとなる。 ・生後3.5ヶ月以前に神経軸索ジストロフィーを発症したパピヨンの動画 http://www.pet-honpo.com/cap/sinkeikakuron/dai2kaipeji.html |
AR | Gシュナ、パピヨン、ロット |
| 487 |
Neuronal vacuolar disorder 神経液胞障害 |
重度の跛行、全身衰弱、筋肉のけいれん、嚥下障害(食べたり飲んだりが下手)、呼吸困難 |
神経組織に空胞が形成されることで生後6週には最初の兆候が現れる。6週では動きが早くなったり遅くなったりまとまりのない行動、7〜8週では四肢(とくに後肢)の弱さ・全身の衰弱、ぎこちない階段昇降。巨大食道を合併することもある
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学・応用動物科学専攻ホームページさま「産業動物の神経系疾患の病理〜海外症例を中心に〜」 |
常染色体性、unknown | ロット |
| 495 |
Niemann-Pick disease ニーマンピック病 |
新生児期;胎児腹水、肝脾腫、肝不全や呼吸困難で死亡。 幼犬期;ナックリング、バランス喪失、中枢神経症状、肝脾腫、痙攣 |
ライソゾーム疾患、脂質代謝異常症。酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損による遺伝性の細胞内脂質蓄積症 | AR | * |
| 549 |
Pneumonia, aspiration 誤嚥性肺炎 |
* | * | unknown | Iウルフハウンド |
| 550 |
Pneumothorax 気胸 |
胸部の痛み、息を吸いにくいため口を大きく開ける、呼吸困難、胸の異常なふくらみ(呼吸音なし) | 外傷無く胸腔内に気体貯留する肺の拡張障害、気腫性肺嚢胞や腫瘍を持っていることも多い | 常染色体性、unknown | ハスキー、ラブ |
| 562 |
Polyneuropathy (LPN1) 多発性神経炎、多発性ニューロパチー |
歩行異常、筋肉・骨盤・四肢の委縮 |
Genes: NDRG1 シャルコー・マリー・トゥース病。運動不耐性、歩行異常、骨盤・手足の筋肉の萎縮、吸気性喘鳴や呼吸困難を特徴とする重度の若年発症、慢性、進行性および混合多発性神経障害 |
unknown | レオン、セントバーナード |
| 565 |
Polysaccharide storage myopathy/Rhabdomyolysis 多糖類貯蔵筋症/横紋筋融解症 |
とくに運動開始後(動き始め)の背中から後肢の筋肉の腫れ・痛み・こわばり、歩行困難、血尿(ミオグロビン尿) | 筋肉内に糖が蓄積される。食欲不振、脱水、脱力感、抑うつ、呼吸困難、嘔吐を伴う重度の腎不全を引き起こすこともあるため腎臓病と誤診されるケースが多いだろう。横紋筋融解症はバベシア症の合併としても起こる | 常染色体性、unknown | グレイハウンド、馬 |
| 586 |
Pulmonary adenomatosis 肺腺腫症 |
呼吸困難 | * | 多因子 | スウェディッシュハンティングドッグ |
| 587 |
Pulmonary fibrosis, idiopathic 特発性肺腺腫症 |
咳、呼吸困難 | 慢性間質性肺疾患。実質的な低酸素血症を引き起こす | unknown | ウェスティ、スタッフィー |
| 601 |
Respiratory distress syndrome 呼吸促迫症候群、呼吸窮迫症候群 |
* | * | unknown | * |
| 674 |
Upper airway syndrome 上気道閉塞症候群 |
呼吸困難 | 短頭種のそれとは機序が違うようだ | unknown | ノーリッチ |