犬種別遺伝性疾患(07年度登録頭数順) | 1位ダックスフント | 2位チワワ | 3位プードル | 4位ヨークシャーテリア | 5位ポメラニアン |
---|
38
|
60 | 114 | 83 | 6 | 35 | 22 | 30 | 58 | 85 | 79 | 23 | 35 | 15 | 24 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
形質 | 血管・血液 | 脳神経 | 筋骨格・結合組織 | 呼吸器 | 循環器 | 消化器 | 腎尿路 | 先天奇形、遺残、他 | 内分泌・代謝 | 眼・耳・鼻 | 腫瘍 | 皮膚 | アレルギー・免疫 | その他 |
先天奇形、遺残、他 58 (10) |
---|
通番 | 疾 患 名 | 主 な 症 状 | 備 考 | 遺伝形態 | 主な該当犬種 |
---|---|---|---|---|---|
23 |
Amelogenesis imperfecta エナメル質形成不全症 |
すき歯、欠歯、早期歯の喪失 | エナメル質の発達に関与する遺伝子のうちENAMの変異はエナメル質形成が阻害される。変異の影響を受けた歯は表面が粗く茶色がかっていてサイズが小さい。通常より歯の間隔が広いとエナメル質が年齢より早く磨耗する | AR | イタグレ、Sプー |
29 |
Androgen insensitivity syndrome (AIS) アンドロゲン不応症候群 |
停留精巣、不妊 | 男性仮性半陰陽でいくつかのタイプがあり完全型では外見上はメス。アンドロゲンは生成・分泌されるが受容体の働きが弱い〜無いために起きる性分化障害。 | XR | 猫 |
30 |
Anhidrotic ectodermal dysplasia 無汗性外胚葉異形成 |
主にオス、歯が無いor少ない、爪の異常、暑さに弱い、粘膜が弱い、化膿しやすい、皮膚が弱く色素が薄い、無or貧毛、易感染性 |
Genes:EDA 頭部〜顔面と腰〜背中が無毛状態で生まれる。無毛部分と肉球は毛包・エクリン腺・それに関する構造物が無い。涙が出ないため新生児眼炎(閉じた瞼の裏の炎症)や結膜炎や角膜炎など目のトラブルも。歯は無いことが多くある場合は円錐形で臼歯と切歯は奇形で小さく小臼歯は薄く通常より外側に挿されている |
XR | バセット、Bシェパ、ビション、コッカー、Gシェパ、ラブ、ミニピン、プードル、ペキ、ウイペット |
32 |
Anodontia 無歯症 |
先天的に歯(の数)が欠けている状態、欠損歯(けっそんし) | 第二小臼歯の欠如はAR、第四小臼歯は複雑。様々な病気の合併症であることもある | 常染色体性、unknown | ケリーブルー |
36 |
Aplasia segmentalis ductus wolffii *ウォルフ管(精管)分化障害 |
オスで乳腺の発達、体高が高い。合併症として停留精巣、無精子症、鼠径ヘルニアが多い。 | 性分化の異常。新生児期に死亡もある。男性半陰陽(?)のひとつのタイプだが見た目はオスなのでわからないことが多い。初期胎児にはミュラー管(卵管)ウォルフ管の両方があり、男性ホルモンが分泌されるとミュラー管は退化し、男性ホルモンを受けなければウォルフ管が退化し子宮等が作られる。ミュラー管遺存症候群であれば外性器は完全に男性型であるが、内性器はミュラー管由来臓器とウォルフ管由来臓器が並存する。 【参考】内分泌攪乱物質 | 常染色体性、unknown | ハスキー |
37 |
Arnold-Chiari malformation アーノルド・キアリ奇形 |
前肢の筋力低下と部分的麻痺、うさぎ跳び歩行、頭や首に痛み、合併症に水頭症、二分脊椎 | 後頭部にある小脳や脳幹の一部が頭蓋骨から脊椎に落ち込んだ状態。9歳で診断されたキングチャールズスパニエルの例がある。ヒトでは壮年期に発症(目立つ症状が初めて現れるという意味)が多いようなので、後天性水頭症の犬の何頭かはこれなのかもしれない | 常染色体性、unknown | キングチャールズ |
78 |
Brachycephaly 短頭症 |
頭部の骨格が円に近い短頭種の普通の状態 | Gene: BMP3 野生型(その他の普通の犬)の頭骨を真上から見ると細長い楕円形なのに対して。ヒトのトレチャーコリンズ症候群Treacher-Collins syndromeの軽症例(健全&固定成功例?)とも言えそうだ。骨格比較写真 PubMed Figure 1 Brachycephaly in dogs. | 多因子 | 短頭種 |
79 |
Brachydactyly 短指症 |
前肢または後肢の第1指と第4指が極端に短い | 染色体異常の症状のひとつとして現れることもある | AR | * |
80 |
Brachygnathia 小顎症 |
症状に差があるが下あごの先端が上あごの先端より小さいこと | 下顎短小奇形症、不正咬合、オーバー。ごく軽症の場合は誰も気がつかないこともある(たいてい歯の噛み合わせは見るがあごの骨格までは見つけにくい)ほどで、 原因不明のよだれが多かったり歯周病(稀に犬には珍しい虫歯も)や成長とともに緩んで並びが狂う切歯でようやく思い至るケースもある。とくに小型犬で口内のサイズのわりに歯が大きく立派な若犬は歯並びが揃っていても要注意 | 常染色体性、unknown | GSポインター |
105 |
Choanal atresia 後鼻孔閉鎖症 |
呼吸がしにくい、ミルクを吐くなど |
後鼻孔(2つの鼻の穴は通常、奥の方で1つになり咽に繋がっている)が閉鎖されている状態。(鼻から細い管を入れて咽に通じるかみる) 2013年1月追加 |
unknown | * |
114 |
Cleft lip and palate 口唇口蓋裂 |
口唇口蓋ともに裂けている状態 | 前後参照 | 常染色体性、unknown | * |
115 |
Cleft lip with or without cleft palate *口蓋裂の有る無しに関わらない口唇裂 |
前後参照 | 2015年ノバスコシアダックトーリングレトリバーのある集団では、27番染色体の一部分に変異がある場合に、口唇裂・口蓋裂・合指症を発症するパターンを4つ発見した、という研究 | AR | ノバスコシア |
116 |
Cleft palate 口蓋裂 |
軟口蓋・硬口蓋(上顎)が生まれつき裂けている状態、不正歯列と上顎の劣成長 | 新生児の鼻からミルクがこぼれている様子などで気付く。他の病因があるケースの口蓋裂はしばしば内臓など別の部位にも異常がある。乳児期には乳の飲みが悪く誤嚥性肺炎(別名嚥下性肺炎または吸引性肺炎)を起こし死亡も多く普通顎の力も弱い。AD神経運動変性のブリタニースパニエルの家系ではARの例が確認された模様 | 常染色体性、unknown | ボクサー、ブリタニー |
117 |
Cleft palate 1 口蓋裂 1型 |
軟口蓋・硬口蓋(上顎)が生まれつき裂けている状態、下顎が短い、舌は後方に配置 |
Gene: DLX6 他の多くの疾患にも共通するが、ヒトでも一般的な先天異常としての口蓋裂のより深い理解のために、犬に現れる遺伝的形質と疾患の情報を広く正しく共有することが非常に大切である |
AR | ノバスコシア |
153 |
Craniomandibular osteopathy 頭蓋下顎骨症とうがいかがくこつしょう |
下顎が拡大する際の激しい痛み、咬合の異常、口を開けたがらない、嚥下困難、跛行や四肢の腫れや痛み |
Gene: SLC37A2 遺伝形式は Autosomal Incompletely Dominant、常染色体不完全優性 別名・あごオステオパシー・ライオンあご、ウエスティ病・下顎骨膜炎。生後4〜10ヶ月で発症 |
|
ウエスティ、ボステリ、ケアン、ドーベルマン、Eセッター、ラブ、スコッチ、ピレ、シェルティ |
154 |
Cranioschisis 頭蓋裂とうがいれつ |
頭蓋の裂、泉門が6×3mm以上ある | 別名・二分頭蓋、脳ヘルニアで重度は生存不能。髄膜瘤あるいは脳瘤を伴うことがある(脳がはみ出ているような状態) | 常染色体性、unknown | コッカー |
156 |
Cryptorchidism 停留睾丸、停留精巣 |
生後2ヶ月以前頃まで(多少は犬種や体格によって変動あり)に片側あるいは両側の睾丸が正常に降下せず腹腔内に停留した状態。さまざまな疾患の合併症の場合もある。腹腔内にある期間が長いほどがん化する確率が高まる ※1歳ころまでに“降りるケース”は移動性or過剰運動性睾丸で充分異常 |
ほかの疾患の合併、性質(性格)が安定しないことも見られる→自信が無い・臆病・集中力不足など | 多因子、多要素、ARも | 多犬種 |
159 |
Cyclopia 単眼症 |
サイクロピア。目が一つ。 | ほかの疾患の合併、ほかにも奇形が多発 | 不明 | * |
194 |
Ectodermal dysplasia 外胚葉異形成 |
歯、足先の骨格不全、乳腺の発育不全、爪の異常、皮膚が弱く乾燥し毛がまばら |
Gene: FOXI3 口唇口蓋裂や難聴、角膜や虹彩の異常、腎臓など他臓器疾患の合併もある。未熟児で生まれて毛も生えそろっていず弱く早死にするオスの子犬はこれも疑わしい。社会化期を半分超えるほど育てば生命予後は良い。 |
X-link | * |
195 |
Ectodermal dysplasia/skin fragility syndrome 外胚葉異形成による皮膚脆弱症候群 |
生後48時間以内に始まる皮膚の脱落 |
Gene: PKP1 鼻・唇・目の周囲部分の他、腋窩や鼠径部や尾の付け根などに亀裂が入りびらん(表皮がくずれて下の組織がむき出しになるような状態)が起きる ペンシルバニア大学獣医学部ED/SFテスト |
AR | Cレトリバー |
196 |
Ectopic ureter 異所性尿管 |
尿失禁 | 腎臓から膀胱につながる尿管が本来の膀胱以外の場所に開口する。尿失禁は性成熟後(不妊手術を済ませた後など)に徐々に症状が出ることも、子犬のうちから持続的(嬉ションと間違われる)なこともあり、どちらにも共通して失禁とは別に排尿できるという特徴がある | 多因子 | 多 |
197 |
Ectrodactyly 欠指症 |
指の数が足りない、その他骨格の病的変形 | 中足骨の本数自体は正常だが1本の中足骨から2本以上の基節骨が出るなど | unknown | ウェスティ、ハスキー、雑種 |
198 |
Ectromelia 奇肢症、肢欠損奇形 |
体の先端の骨格奇形 | 手根骨から先が無い、中足骨から先が無いばかりか1本の後肢に長めの中足骨が2本分あり先端がUターンして脛骨に向いているなど。爪の先だけに異常が現れることもある。 | unknown | * |
199 |
Ectropion 外反、眼瞼外反 |
* | 眼瞼が外向きになった状態、皮膚の病変や(魚燐癬)口唇口蓋裂、巨口症、脳神経トラブルを伴うケースもある | ADか | シャーペイ |
222 |
Exophthalmos with strabismus *眼球突出及び斜視 |
視力障害 |
一般的に眼窩が浅いことにより目玉が出っ張る状態をいう。二次的に角膜などの炎症やチェリーアイ 参考;Open Veterinary Journal (2015), Vol. 5 (英文pdf) 『Extraocular myositis in a female puppy』 |
unknown | パグ、シーズー、ゴル |
225 |
Eye defects 眼欠損症 |
目の一部または全部が欠損している状態 | * | unknown | * |
260 |
Glossopharyngeal defect 舌咽欠損 |
上向きで内側にカールしている先のとがった舌 | 生存不能 | AR致死 | * |
288 |
Hemimelia 半肢症 |
正常構造の一部欠損を特徴とする先天性奇形 |
四肢の部分的またはすべての欠損。前肢後肢とも起きる。左右の肢の骨自体の長さや向きや骨の数など形状は対称・非対称どちらも見られる 手足の先天性分裂ectrodactyly、半径または尺骨の先天性分節欠損hemimelia、という使いかた |
unknown | * |
289 |
Hemivertebrae 半椎骨症、半側椎骨(はんそくついこつ) |
椎間板ヘルニアに似た症状 | 椎骨とは背骨を作っている骨のことで7個の頚椎、13個の胸椎(肋骨の部分)、7個の腰椎(脊髄は第6腰椎から第7腰椎付近まで延びている)、3個が癒合して1つの仙骨となっている仙椎(お尻のカーブのあたり)、20から24個の尾椎からなる。 | unknown | * |
296 |
Hernia, diaphragmatic 横隔膜ヘルニア |
呼吸困難、嘔吐、ショック。新生児では胸が大きくふくらみ腹はへこんでおり食欲不振の末早期死亡率が高い(産声をあげたとたんに見る見る弱ることも)。 |
体内で胸と腹を分け、呼吸をするための重要な横隔膜にはもともと数箇所に穴が開いて食道や血管を通しているがその穴が正常より大きかったり亀裂が入りすぎているような状態をいう。軽度であればとくにひどくならず一生を終えるケースも多いと考えられる。主に横隔膜から胃などが胸部に出てしまい呼吸が妨げられることが命を奪う。 先天的に横隔膜ヘルニアを持っていて、わりあい正常に成長してから胸部の打撲などで発症するケースもある(後天性ではなく遅発性)。 |
unknown | ゴル |
297 |
Hernia, generic ヘルニア |
場所によってさまざま。軽度であれば命に別条がないことも多いが進行も無論ある。 | ヘルニアとは体内の臓器などが本来あるべき部位から脱出した状態を指す。体腔内の裂隙に迷入したものを内ヘルニア、体腔外に逸脱したものを外ヘルニアと呼ぶ。腹部の内臓に多くみられ、例えば腹壁ヘルニアは、腹壁に生じた裂け目から腹部の内臓が腹膜に包まれたまま腹腔外に脱出するものである。(Wikipedia) | * | * |
298 | Hernia, hiatal 裂孔ヘルニア |
食後の嘔吐・逆流、呼吸困難 | 下部食道括約筋の障害。人間では横隔膜ヘルニア=子ども(子犬)、裂孔ヘルニア=大人(成犬)と呼んでいる。治療は外科手術で裂孔の閉鎖と胃腹壁固定 | unknown | Eブル |
299 |
Hernia, inguinal 鼠径ヘルニア |
鼠径部(股の付け根)に脱出するヘルニア。ヘルニア輪を通して腹腔内蔵器、特に小腸、腸間膜の一部、膀胱などが入り込み皮下に軟性・可移動性の腫れ。 | 腹圧がかかるとより重篤になりやすい | unknown | 多 |
300 |
Hernia, oesophageal hiatal 食道裂孔ヘルニア |
嘔吐、過流涎、逆流 | * | unknown | Cシャーペイ |
301 |
Hernia, perineal 会陰ヘルニア |
会陰部の筋肉の緩みにより穴(ヘルニア孔)から臓器(腸や膀胱)が出て痛み、排尿・排便障害を起こす | 遺伝的素因を持った未去勢で5歳以上のオスに多い。去勢手術で防げる | unknown | 多 |
302 |
Hernia, scrotal 陰嚢ヘルニア |
陰嚢内に腸管が脱出した状態で稀に痛みや歩行困難。放置すると精子が作られなくなる。 | 鼠径ヘルニアの進行形。腸管がヘルニア孔を通って陰嚢内に入った状態。症状が出にくいため見た目ではわかりにくく、原因不明の不妊症といった診断につながることもある。 | unknown | * |
303 |
Hernia, umbilical 臍ヘルニア |
へそのでっぱり、腫れ、軽症であれば押すと引っ込む |
本来閉じるべき臍輪が閉鎖されていないため、腹膜が皮下に脱出して袋状になるもの。でべそ。臍ヘルニアだけの単独ではない場合も多い。(子犬のうちから大きく目立っているものは、例えば欠歯や陰睾丸や骨格異常など体の他の部分にも不都合があることが多い) ヘルニア輪の大きな犬の重症例では腸管やその他内臓が頻繁にはみ出して嵌頓(かんとん)を起こすと死に至る事故にも繋がる。子犬の先天奇形発生率ではそけいヘルニアに次ぐ |
unknown | 多 |
336 |
Hypogonadism 性腺機能低下症、生殖機能不全 |
小睾丸、小精巣、性器(内外とも)の未発達、バランス的に長い四肢、生殖不全 | オスに多い性分化異常。オスはクラインフェルター症候群(#ダブルエックスのオス)、#精巣性女性化症、メスは#残留性ミュラー管症候群、ターナー症候群(X染色体欠損) などを参照 | unknown | * |
341 |
Hypospadias 尿道下裂 |
尿の出口が陰茎の先より根元側にある | 性分化障害の可能性がある | unknown | 羊、ヤギ、馬、猫 |
356 |
Imperforate anus with rectovaginal fistula *直腸腟瘻を伴う鎖肛 |
新生子の腹部膨慢、嘔吐、哺乳力減、便秘、死亡 | 鎖肛はお尻の穴が正常より狭かったり塞がっていたり無いような状態、形状は個体差による。 鎖肛の程度が重症なほど消化器や泌尿器にも奇形が合併するケースが見られている。 直腸腟瘻は造影剤検査でもしなければ見た目ではわからなく、ミルクを飲むたびに便の一部〜全部が出ないことでわりと早期に死亡が多い | unknown | * |
361 |
Intersex 性分化障害 |
性別不明、両性具有、不妊 | 真性半陰陽は両性の機能を併せ持つ。仮性半陰陽は遺伝子上の性別と外見上の性別が合致しない。内外性器の未分化、未発達、機能不全。両性具有、インターセックス、性分化障害・疾患 | unknown | * |
369 |
Kartagener syndrome カルタゲナー症候群 |
子犬の頃から気管支炎・鼻炎・肺炎、耳鼻感染・呼吸器感染を繰り返す | 全内臓逆位・副鼻腔炎・気管支拡張を伴う遺伝性疾患。※原発性線毛ジスキネジア | AR | ダックス、Eスプ、Eコッカー、スタッフィー、チャウ |
371 |
Knobbed acrosome ???小頭部先体(アクロソーム) |
精子の奇形(が多い状態)、不妊 | アクロソーム(精子の頭部の先端)がこぶ状に突起している状態のようだ | unknown | Mシュナ |
391 |
Lumbosacral junction, skeletal morphology and morphometry ??? |
骨格形態と体型測定における仙骨結合部 | 病気ではない | * | Gシェパ |
411 |
Microphthalmia 小眼球症 |
片方か両方の眼球が小さい状態。弱視力から全盲までさまざま | Microphthalmia画像検索で一発で症状が飲み込める | 常染色体性、unknown | * |
506 |
Occipital dysplasia 後頭部異形成 |
首周辺の痛み、てんかん様発作、水頭症に似た症状、無症状の場合もある | 別名大後頭孔形成不全。通常は頭蓋骨の下(首側)に脊髄が通る穴が丸く開いているが異形成の場合は円の一部が歪み鍵穴形の孔となる。無症状で一生を終える犬もいるが、鍵穴形の部分に脳が落ち込むと神経症状が出る。時々何でもないのに小さく痛みを訴えたり運動後や気圧の変化で発作が起きることもあり、多くは4歳頃までに症状が出揃う。軟骨無形成症と合併することもある。参照キアリ奇形、水頭症 | 常染色体性、unknown | ポメ、チワワなどトイ |
512 |
Oligodontia 部分的無歯症 |
主に小臼歯の欠損(?)で、存在する歯の形状が特異なこともある。乳歯・永久歯とも歯が1本または複数足りないこと、欠歯 | 合指症と合併した例アリ。ある部分の乳歯が欠損していればかなりの確率でその部分の永久歯が欠損する。体のサイズに関係なく犬の乳歯は28本、永久歯は42本 | 常染色体性、unknown | ケリーブルー、アーフェンピンシャー |
533 |
Otocephaly 耳頭症 |
下顎の欠損と両耳介の顔面下での結合 | ほとんど生存不能 | 常染色体性、unknown | ビーグル、ロット |
539 |
Patent ductus arteriosus 動脈管開存 |
心臓疾患症状、短絡血液量と肺血管抵抗性で症状が変わる、右心不全または左心不全 | 胎児の時は肺呼吸をしないので心臓に戻る血液を肺に送らないため、直接肺動脈と大動脈が動脈管(ボタロー管)で連結されている。通常は出生後肺呼吸を始め体内の酸素濃度があがることで、酸素濃度への感受性が強い動脈管は数時間内に自然に閉鎖する。オスよりメスの発症率が高い。早期死亡もよくある | 常染色体性、unknown | 多 |
540 |
Patent ductus arteriosus and pulmonary hypertension 動脈管開存及び肺高血圧症 |
左心室肥大、咳、速脈、チアノーゼ | 肺動脈圧の異常な上昇による。動脈管開存により肺動脈は右心室と大動脈からの血流を受け肺への血流量が増え肺動脈拡張となる(拡張すると圧力が高まるが最低血圧は下がる)。動脈管から肺動脈に流れるのでより多くの血液を押し出す左心室は肥大を起こす。治療は動脈管の結紮 | 常染色体性、unknown | Pコーギー |
541 |
Patent ductus venosus 静脈管開存 |
肝臓周辺の障害 | 静脈管は胎児の時に存在する。臍帯静脈と下大静脈をバイパスして胎盤からの臍帯静脈血を下大静脈、さらに卵円孔から左房-左室-上行大動脈へと送る役割をしている。通常出生後数日で閉鎖する | 常染色体性、unknown | * |
542 |
Patent urachus 尿膜管開存 |
へそから水分が出る、残尿感や腹部痛 | 胎児期に膀胱の間を通っていて出生後に閉じる尿膜管が閉鎖していない。遺残尿膜。膿がたまることで痛み・発熱が起きやすい。 | 常染色体性、unknown | * |
548 |
Perosomus elumbis 躯幹奇形体 |
背骨の(おもに)腰から下の重度の奇形 | 腰椎、仙骨、尾骨の部分的または全体的無形成および後肢の強直が特徴で前肢は正常なこともある。胎子の体全体の成長はきわめて悪い | unknown | プードル |
550 |
persistent hyaloid remnants *硝子体動脈遺残 |
まつげ異常と弱視など。白内障に移行?先天性眼疾患 |
北海道北斗市かけはた動物病院さま『硝子体動脈遺残がみられた犬の白内障』http://kakehata113.seesaa.net/article/63333867.html
Remnantはリポタンパク質の加水分解産物レムナント、残遺物 |
常染色体性、unknown | Aシェパ |
551 |
Persistent Mullerian duct syndrome 残留性ミュラー管症候群 |
オスで子宮と卵管を持つ、不妊、精巣の腫瘍化(セルトリ細胞腫) |
Gene: AMHR2 別名ミュラー管遺残、ミュラー管は女胎児の子宮・卵管・腟の原基で男胎児では消滅する。中腎傍管paramesonephric ductsとも呼ぶ。鼠径ヘルニアを合併していることが多い。シッポのサイズが小さい?? |
AR | バセット、Mシュナ |
552 |
Persistent right aortic arch 右大動脈弓遺残 |
成長遅延、痩せ、食後の吐出(離乳後)、食道拡張、誤嚥性肺炎 | 右方の第四動脈弓が発達した結果として発生する血管輪異常。心雑音が認められたり無症状だったり奇形の度合いによって様々 | 常染色体性、unknown | ドーベルマン、フォックステリア、Gシェパ、グレートデン、Iセッター、イタグレ |
553 |
Persistent right aortic arch, with subclavian artery and ligamentum arteriosum **鎖骨下動脈と動脈管索を伴う右大動脈弓遺残 |
* | *ヒトのDiGeorge症候群(副甲状腺・胸腺無形成症) | 常染色体性、単一ではない | Gピンシャー |
554 |
Persistent truncus arteriosus 総動脈幹遺残 |
多呼吸、哺乳力低下、発育不良、易感染性(呼吸器)、四肢の先の速脈、うっ血性心不全 | 胎児期の動脈は1本だが次第に壁が出来て大動脈と肺動脈に分かれて生まれる仕組みになっているが、大動脈と肺動脈が分離せず心臓から1つの大血管が出る状態。動脈幹中隔と円錐部中隔の形成不全が原因と考えられている。早期死亡が大半だが中には無症状で老犬になってから診断されることもある | 常染色体性、unknown | * |
564 |
Polydactyly 多指(趾)症 |
6本目の狼爪 | 別名Double Dewclaws | 常染色体性、unknown | ピレネーズ、多くの家畜動物 |
566 |
Polymelia 多肢症 |
後肢が4本ずつ合計8本ある状態など、多足 | 本数は偶数が多いようだ | 常染色体性、unknown | 牛や鹿など |
577 |
Portal vein hypoplasia, congenital 先天性門脈形成不全 |
腹部の膨れ、腹水、貧毛、多飲多尿、脾腫、腎肥大、小ぶり、小肝、尿結晶、貧血、食道・胃に静脈瘤(吐血・下血) | 肝外門脈閉塞症。門脈とは両端が毛細血管に終わる血管のことでここでは小腸からの栄養分を多く含んだ血液を肝臓に運ぶ静脈のこと。門脈が正常な流れでないため門脈圧が亢進し腹水などの症状が4ヶ月〜2歳位の間に出る。肝臓の機能が低下するため麻酔が難しくなる | 常染色体性、unknown | * |
578 |
Portosystemic shunt 門脈体循環シャント |
発達遅延、体重減少、嘔吐・下痢・多飲・食欲不振、尿結石、高アンモニア血症による異常行動・てんかん様発作などの神経障害 | 門脈と大静脈の間にできた短絡(=シャント)。短絡は門脈−後大静脈短絡、門脈−奇静脈短絡、静脈管開存の3種類。門脈から肝臓への血液が減少したり滞ったりするため本来肝臓で処理されるべき有害物質が体循環に流入することで障害が起きる。 | 常染色体性、unknown | ヨーキー、ミニシュナ、マル、ゴル、バニ他多種 |
616 |
Retinal dysplasia and persistent primary vitreous *原発性硝子体過形成遺残 |
視力障害 | 原発性硝子体過形成遺残persistent hyperplastic primary vitreous は胎生期に自然退縮する眼組織が残存する視覚障害 | AR | Mシュナ |
634 |
Sex reversal, generic 性分化障害 |
不妊、生殖器(精巣?)腫瘍 | ダブルエックスのオス、オスの生殖器を持つメス、子宮と精巣を両方有するなど。陰茎状構造を有する場合にはしばしば尿路開口部が先端に配置されていない | unknown | * |
635 |
Sex reversal: XY female, SRY-positive 性分化障害 SRY陽性 |
不妊、生殖器(精巣?)腫瘍 | 表現型メスで内部生殖器は両方あるなど。SRY陽性は表現型がオス。染色体数は78XYと正常なオスを示す | unknown | ヨーキー、馬 |
636 |
Short spine *短い脊椎 |
少ない背骨、ねじれ尾、肛門開口部の傾斜、外向きの肘・ひざ関節 | 脊柱や椎骨の圧縮による背骨の深刻な短縮で、かわりに硬化した軟骨を持つ場合もある。寿命は比較的正常だが肋骨の数により胸郭に影響が出る場合もある | unknown | * |
660 |
Syndactyly (mule foot) 合指(趾)症 |
2つまたはそれ以上のつま先の融合 | 指の間の骨または軟骨の全部か部分的な融合。歩行の際の不適切な体重移動から関節炎につながることもある | unknown | マール柄 |
664 |
Tail abnormalities 尾の奇形 |
尾が無い状態、ほか | Taillessness(無尾)脊髄の欠損による無尾であれば初期の胎児が死ぬ確率が高く、生まれても鎖肛など重度の障害。ペンブロークコーギーなどは現在断尾廃止・禁止の情勢を受けて、脊椎が損傷されていない無尾を繁殖させる努力が見られるようだ。 | unknown | * |
708 |
XX testicular DSD (Disorder of Sexual Development) *性分化障害 |
停留精巣、軽度の尿道下裂、雌雄性器 |
ダブルエックスのオス。発情周期をもつ場合もある 日獣会誌「SRY 遺伝子陰性 XX 雄のフレンチブルドッグの 1 例」2011(pdf) |
AR | 多 |